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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。

「あ、そんな顔しないで、ユウマ君。私も悲しいのよ。あなたは今まで、私のデータ収集にずいぶん協力してくれたんだもの。いつも礼儀正しく私に接していたし、私はあなたに対して不快に思ったことなんか、一度もないのよ。それを思うと、とても心が痛むわ」

アカネは演技かどうか、少なくともヒロトとユウマの目には、心底悲しそうな表情をしているように見えた。

「だから、考えたの。ユウマ君の金玉を潰すのは、一個だけにしてあげる。それならユウマ君も男の子のままでいられるし、また私のデータ収集にも協力できるでしょう。私も、金玉が一個しかない男の子を蹴ったことはないから、興味深いわ。ね、そうしましょう、ユウマ君」

アカネは満面の笑みで、ユウマに語りかけた。その美しい大きな瞳は、いつものようにキラキラと輝いて、自分の言動に何の疑いも持っていないようだった。
ユウマは何も言うことができず、ただアカネの顔を見て、呆然と座っていた。
ヒロトは今さらながら、自分が足を踏み入れた世界の恐怖を感じ、自分を助けようとしてくれたユウマの気遣いを無にした愚かさを悟った。

「じゃあ、始めましょうか。そろそろ、立てるでしょ、ユウマ君。データによれば、ユウマ君が私の30%の金玉蹴りを受けて立ちあがれるまでの時間の平均は、7分23秒。間違いないかしら?」

アカネは背後にいた女子生徒に尋ねた。

「はい。その通りです」

その女子はどうやら、データを管理している係らしく、先ほどから分厚い手帳にひっきりなしに書き込みをしている。
その手帳は、いわばアカネの男の子たちへの拷問記録ともいうべきもので、今までにアカネが行った「実験」のあらゆるデータが記録されているようだった。
そしてアカネも、その大部分を頭の中に記憶しているらしい。

「私がユウマ君の金玉を蹴ったのは、だいたい6分前ね。あの感触からすれば、いつもよりダメージは浅いはずよ。ユウマ君の金玉は、ちょっと逃げたもの。私の蹴りのタイミングを、ユウマ君が覚えてしまったのかしら。ユウマ君も成長してるのね。フフフ」

アカネは楽しそうに笑う。
ユウマは無言でうつむいていたが、やがて周囲をうかがうように見渡し、屋上にある唯一の出入り口に目を向けた。
このままここにいては、確実に自分の金玉は潰されてしまう。一個でも二個でも、気絶するほどの痛みに変わりはない。もう、この場から逃げ出すしかなかった。
ユウマは入学してすぐに学級委員になったが、そのせいで生徒会長を務めるアカネに目を付けられ、今まで何度となくアカネの「実験」に付き合わされ、痛い思いをしてきた。
先生や親に訴えたかったが、そんなことをすれば、学校の生徒全員から陰湿ないやがらせを受ける事になるということを、ユウマはすぐに思い知らされた。
アカネの支配を受けているのは、十人や二十人ではなく、本当に生徒全員なのだ。だから逆に言えば、月に一回か二回まわってくる、「自分の番」を乗り越える事が出来れば、あとは問題なく生活することができるのである。
アカネは気まぐれで、ときに痛みのない「実験」をすることもあったし、たまに他の女子生徒やアカネ自らと、性的なことをさせられることもあると聞いている。何よりアカネはあと一年で卒業なのだから、ユウマは静かに、耐えるつもりでいたのだ。
しかし今回、ユウマが転校性のヒロトをかばおうとしたせいで、アカネの不興を買ってしまったのである。ユウマはヒロトを助けようとしたこと自体は後悔していないし、自分の忠告を無視したヒロトを恨むつもりもなかった。呪うべきは、東条アカネという女子の存在で、その行動と思想はユウマなどには予測もつかないものだったのだ。
とにかく、ユウマはこの場から逃げ出すことを考えた。
逃げだせたとして、後にはヒロト一人が残されてしまうが、そこまで考えている余裕はない。自分の金玉をまもるために、ユウマは行動に出た。

「うわあぁぁ!」

ユウマは突然、叫びながら立ち上がると、アカネの横をすり抜け、屋上の出入り口に向かって走り出した。
まだ金玉に痛みは残っていたが、ここで逃げられなければもうチャンスはないという、必死の行動だった。
ヒロトは驚いたが、しかし這いつくばったまま、ひそかにユウマを応援した。
ユウマは無我夢中で走り、扉まであと数メートルのところまで来た。しかし、素早くその行く手をさえぎったのは、アカネを取り巻く上級生の女子たちだった。
女子の一人が無言のまま、走ってくるユウマの肩を両手で突き飛ばした。

「あっ!」

ユウマは行く手をさえぎられて、動揺した。回り込もうとしたが、さらに他の女子たちに三方を囲まれてしまう。
正面に立った女子が、ユウマの肩をぐっと掴んだ。
ユウマはアカネの記憶があるために、反射的に両手で股間をガードしてしまう。
しかし、肩を掴んだ女子は予想に反して、ユウマの脇腹に強烈なパンチを打ち込んだ。

「うっ!!」

ユウマは予想外の攻撃に息を詰まらせ、脇腹をおさえてよろけてしまう。
次の瞬間、いつの間にかユウマの背後に来ていたアカネが、ユウマの股間に鋭い蹴りを打ち込んだ。

バスッ!!

ユウマの制服のズボンが股の部分で上に押し上げられ、同時にユウマの踵が少し宙に浮いた。

「ぷっ!!」

完全に意識の外からの金的蹴りに、思わず息を漏らして、脇腹をおさえたまま、ストンと地面に尻もちをついてしまった。
しかし数瞬後には、いつものごとく金玉の痛みが全身にこみ上げてきて、小さなうめき声を上げながら、顔面をコンクリートにこすりつけることになった。

「くうぅう…」

「ダメよ、ユウマ君。逃げるなんて。金玉の痛みで結ばれた、男の友情はどうしたの?」

アカネは自分の方に尻を突き出して這いつくばっているユウマに向かって、言った。

「50%くらいの力で蹴ったわ。でも、今度は後ろから蹴ったから、あと20分は自力で動くこともできないはずよ。頑張ってね」

ユウマは額をコンクリートにおしつけたまま、尻を持ち上げて、両手で股間をおさえ、必死に痛みに耐えた。汗が全身からとめどなく流れ、顎を伝って地面に落ちていく。これからこの痛みに20分も耐えなければならないと思うと、いっそ殺してくれ、とユウマは思ってしまった。

「さあ、ユウマ君はしばらく置いておいて、そろそろヒロト君も元気になってきたかしら」

アカネはそう言うと、まだうずくまっているヒロトのところまで来て、しゃがみこんで顔をのぞいた。
ヒロトはユウマの逃避行が失敗に終わったことに、大きなショックを受けていて、金玉の痛みも伴い、顔色は真っ白になってしまっていた。

「フフッ。かわいいわね、ヒロト君は。昨日、初めて見たときから思ってたの。こんなかわいい顔をした男の子も、金玉を蹴られたら、他の男子みたいに痛がるのかしらって」

アカネはその白く細い指で、ヒロトの顔を優しく撫でた。

「そうしたら、やっぱりヒロト君も男なのね。ちょっと金玉を蹴られたら、情けなく倒れてしまうし、私のオッパイからは目が離せないし。男の子って、みんな一緒なのよね。昨日は、私のオッパイを想像して、オナニーしたの? フフフッ」

まったくの図星をさされて、ヒロトは痛みの中でも恥ずかしくなって、顔を背けた。昨夜は確かに、オナニーをした。それもアカネの言うとおり、目に焼き付いてしまったアカネの大きな胸の、制服の下にある姿を想像して。

「あ、恥ずかしがらないで。いいのよ、私でオナニーしても。それは、この学校のほとんどの男子がやっていることだから。年頃の男の子だものね。しょうがないわ」

恥ずかしげもなく、そう言った。
呆れるほどの自負心だったが、実際にアカネに面と向かえば、なんとなく納得してしまうものがあった。

「さあ、ヒロト君、そろそろ立てるかしら。次の実験をしたいんだけれど」

「あ、あの…許して下さい。僕、何でもしますから…」

ヒロトはやっとそれだけ、言うことができた。
アカネはそれを聞くと、きょとんとした顔でヒロトの顔を見つめた。

「あ、ヒロト君、誤解しないで。私は別に、ヒロト君に怒ってるわけじゃないのよ。ただ、私の知的好奇心のために、ヒロト君に協力してもらってるだけなんだから。それはユウマ君だって、他の男子だってそうよ。これは、単なる私の趣味なの。安心して」

安心どころか、ヒロトはますます背筋が凍る思いがした。
趣味でこんなことをしているということは、どうやらどれほど謝ったりしても、見逃してもらえるわけではないらしい。




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