月明かりの夜。とある高校のプールに、さざ波が立っていた。 水泳部の山下アリサが、居残り練習をしているのだ。 鏡のように夜空を写した水面に時折、顔を出してはまた潜る。 アリサは女子水泳部のエースといっていい存在だったが、その実力はこうした練習の積み重ねによって得られたものだった。
「ふう…」
日課である10キロの平泳ぎを終えて、ようやく足を着いた。 プールサイドに上がると、全身から水が滴り落ちる。 アリサは身長も高いが、それ以上に手足が長く、水泳選手としては理想的な体型といえた。その恵まれた肢体が、日々のトレーニングのおかげで、女性なら誰もがうらやむような、しなやかでスリムなものになっている。
「……」
息が整うと、アリサはちょっと辺りを見回して、おもむろに自らの水着に手をかけた。 そして、ためらうことなく競泳水着を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になってプールに飛び込んでしまった。
「はあっ…」
晴れ晴れとした表情で仰向けになり、水面に顔を浮かべた。 実はこれが、アリサの密かな愉しみだったのである。厳しい練習の後、窮屈な水着を脱ぎ捨て、生まれたままの姿で冷たいプールを漂うことは、なんと解放的なことか。 もちろん、他の部員たちがいる部活動中は、こんなことができるわけがない。水泳部のエースとしてのプレッシャーからの解放、そして自分へのご褒美として、深夜まで練習した時には、必ずアリサは全裸でプールに飛び込んでいたのだ。
「キレイ…」
背泳ぎの状態でプールを漂うと、夜空には三日月と星たちが輝いているのが見えた。 完全にリラックスして、放心状態になっていたアリサだったが、突然、現実に引き戻されることになる。 ピカっとまばゆい光が、目に飛び込んできたのである。
「あ!」
それがカメラのフラッシュであることは、すぐに分かった。 アリサはすぐさま身をひるがえして、光が発せられた方向に目を凝らした。
「バカ! フラッシュは切っとけって…」
「だって…」
暗闇の中から、男たちの声がした。 プールサイドには更衣室や水泳部の部室などがあるのだが、どうやらその陰に潜んでいるらしい。
「誰だ!」
普通の女子高生なら怯えてしまうところなのかもしれないが、アリサの気の強さは並ではなかった。 すぐにプールからあがると、全裸のまま、話し声のした方向に走っていったのである。
「うわ…」
「ヤバイ…!」
男たちも驚いたようで、慌てて逃げる様子だった。 しかしこのプールは高いフェンスで周囲を囲まれており、出入り口は一つしかない。 アリサが部室棟の裏にまわると、男たちがフェンスを乗り越えようとしているところだった。
「待て!」
男たちは、この学校の制服を着ていた。 アリサはフェンスにしがみついている男の背中を両手で掴み、シャツを引きちぎらんばかりの勢いで引っ張った。 男はあえなくフェンスからはがされて、背中からコンクリートの地面に叩きつけられてしまう。
「うわっ!」
一瞬、息が止まるほどの衝撃だった。 仰向けになって苦しむその顔に、アリサは見覚えがあった。
「高木!?」
アリサと同じクラスの男子生徒だった。 その手には、長い望遠レンズを装着したデジタルカメラが握られている。
「アンタ、何してんの!」
アリサは自分が全裸であることも忘れて、覗きこんだ。 高木の方もアリサの裸を見るどころではなく、必死で呼吸をしようと苦しんでいる。
「いや…違う…俺は…」
とぎれとぎれにそう言って、首を振っていた。
「何が違うんだよ! これは何だ!」
高木の手にあったカメラを取りあげる。
「…俺は…頼まれて…」
「はあ?」
背後に気配を感じて、振り向いた。 するとそこには、男子水泳部に所属している大谷が立っていた。
「大谷…! アンタだったの?」
大谷はフェンスを越えることに成功したのだが、高木が捕まってしまったのを見て、引き返してきたのだった。 高木が捕まれば、当然自分のこともバレてしまう。それよりは、ここでどうにかしてアリサの口封じをしてしまおうということらしかった。
「返せよ!」
大谷は、アリサの手にあるカメラを取り返すつもりだった。 カメラの中には、さきほど撮った全裸で泳ぐアリサの姿が写っている。それをうまく利用すれば、彼女を脅して自分たちの覗きがばれないようにできると思ったのだ。
「やだね。取り返してみなよ」
アリサは全裸のまま、仁王立ちした。 犯人が同じ水泳部員の同級生と分かった以上、もはや彼女に恐怖心はなかった。
「この…!」
あまりにも堂々としたアリサの姿に大谷は面食らったが、無理矢理カメラを奪い取ろうとした。
「おっと」
しかしアリサはひらりと身をかわした。 大谷の目の前で、アリサの豊かな乳房が二つとも揺れている。
「残念。取り返しみな。このスケベ!」
水泳選手は、水の抵抗を少なくするために、全身の毛を剃ってしまうことがあるという。アリサもその例に漏れず、腕や足にうぶ毛一つなかった。 さらに、いつもハイカットの競泳水着を着ているため、その陰毛の面積も極端に小さくなっている。結果、アリサの股間にはくっきりとした一本の割れ目が確認できる状態だった。
「くそ…」
必死にカメラを取り返そうとしながらも、つい彼女の股間や胸に目が行ってしまう。 そんなスケベ心を十分に見通していたアリサは、余裕を持って大谷の動きを見切ることができたのだった。
「ほらほら。こっちだよ」
アリサはむしろ楽しそうに、大谷を翻弄していた。 しかし何度か身をかわした後、不意に背中が何かにぶつかった。
「捕まえたぞ!」
いつの間にか回復していた高木がアリサの両脇に手を回し、羽交い絞めにしてしまった。
「あっ! この…!」
アリサは手にカメラを持ったまま、動けなくなってしまう。
「いいぞ、高木! ハア、ハア…。調子に乗りやがって…」
さんざん空振りして、すでに息切れしていた大谷は、しめたとばかりに身動きのとれないアリサに近づいた。
「ちょっと…! 離せよ!」
アリサは高木の手を振りほどこうとしたが、さすがに男の力には勝てなかった。 もがくたびに、大きな乳房が波打つように揺れる。 競泳水着の日焼け跡がくっきりと残る肢体を目の前にして、大谷はゴクリと唾を飲みこんだが、やがて本来の目的を思い出した。
「まずはカメラを返してもらうぜ」
彼女の右手に握られていたカメラに手を伸ばすと、アリサはさっと手を上げてかわした。
「ほらほら。取ってみなよ。届くかな?」
「この…!」
その高さは、大谷にとっては手が届くギリギリの高さだった。 カメラを見上げ、手を伸ばそうとした次の瞬間、
「くらえっ!」
「うっ!」
頭上高く上げられたカメラに注目するあまり、下半身の注意がおろそかになっていた。アリサの長い脚が大谷が手を伸ばすよりも早く、彼の股間に届くことは明白だった。
「あっ…くぅっ…!!」
女子高生の裸を見て、密かに堅くなっていたペニスの真下、柔らかな二つの球体を、アリサの足の甲は的確に捉えて蹴りあげていた。 大谷は一瞬で全身の血の気が引くのを感じ、足の力が抜け、その場にひざまずいてしまった。
「うぐぐ…!!」
男の本能が命ずるままに、必死に衝撃を受けた股間の急所をおさえるが、今さらどうしようもない。耐えがたい痛みが、下腹部から湧き上がってくる。しかもその痛みは蹴られた瞬間がピークではなく、徐々に大きく、ジワジワと全身に広がっていくようだった。
「えい!」
小さなかけ声と共に、今度はアリサの踵が後方に振り上げられた。狙いはもちろん、自分を羽交い絞めにしている高木の股間である。 本来なら、背後にいる高木の急所の位置を知ることは困難なはずだった。しかしアリサの背中に密着している高木の股間は、本人も意識しないままに膨張してしまっており、アリサは背中に棒のような塊が当たるのをはっきりと感じることができた。 あとはそこに向かって踵を振り上げればいいだけの話で、日々の柔軟運動を欠かさない彼女にとって、それは造作もない脚の曲げ伸ばしだった。
「あっ!」
アリサの踵は高木の股間をかすった程度だったが、その軽い衝撃だけで、男の急所はダメージを受けた。 高木は反射的に手を離し、身を丸めてしまう。
「どどめ!」
間髪いれず振り向くと、今度は強烈なひざ蹴りで股間を狙う。高木の手が急所に届くのと、アリサの膝がそこを突き上げるのが、ほぼ同時だった。
「うぐぁっ…!」
なんとか直撃は避けたものの、すでにダメージを負った股間の急所に更なる衝撃を受けた高木は、力なくひざまずいてしまった。 彼にもまた、大谷と同様の男の痛みが襲い掛かってくる。
「思い知ったか、バーカ!」
無様にもうずくまり、例えようのない鈍痛に耐えることしかできない男子二人を見下ろして、アリサは仁王立ちしていた。
「うぅ…くそっ…!」
重苦しい鈍痛を発し続けている股間をおさえ、それでも悔しさのあまり大谷はアリサを見上げた。すると薄暗い照明の中でも、彼女のスタイルの良さが十分にわかった。 全裸の女子を眺める状況など、本来なら男子高校生にとって考えられない幸運のはずだったが、下腹部から発せられる痛みで、今はもう何も考えられない。 男に生まれたという実感を噛みしめながら、時間と共にこの痛みが過ぎ去ってくれるのを祈るばかりだった。
「ったく。アンタら、どうしようもないヘンタイだね。ちょっとそこで反省してな」
アリサは二人を尻目に、更衣室に入っていった。さすがに服に着ようと思ったのだ。急所にダメージを受けた男子たちはしばらく立ち上がることもできないだろうと見込んでのことだった。 大谷と高木にも、彼女の意図はよく分かったのだが、かといってその場から動くことはできなかった。少しでも立ち上がろうとしようものなら、内臓を捻るような痛みが走る。この痛みがいつまで続くのか、彼らにとっては気の遠くなるような長い時間だった。
「さて。まだ痛いの?」
やがてジャージ姿に着替えたアリサが、二人の前に戻ってきた。 その手には、さきほど彼女の裸を撮影した一眼レフカメラが握られている。
「よく撮れてるね、これ。アタシが夜中に裸で泳いでるって、知ってたの?」
撮影された写真を、液晶モニターで確認した。そこには彼女が全裸でプールに浮かんでいる姿が、はっきりと写っている。
「別にちょっと見られるくらい、どうってことないんだけどさ。これが広まると、もう夜に練習できなくなりそうだね。それは勘弁してほしいんだよね」
女子高生らしからぬ、堂々とした態度だった。 日頃から自分の水着姿が男子達の注目を集めていることに気づいてはいたが、慣れてくると、そんなこともどうでもよくなってしまっていたのだろう。
「大谷。アンタ、いつから知ってたの?」
アリサはうずくまっている大谷を見おろすようにして話しかけた。
「…この間、追試の後に…。プールに誰かいるのが見えたから、ちょっと覗いてみたんだよ」
「ああ、この間の中間テストの追試? アンタ、何個も受けてたもんね。遅くまでやってたんだ。お疲れ」
成績の悪い大谷を、あざ笑うかのようだった。
「それで、アタシが裸になってたから、写真撮ろうと思ったんだ?」
「高木がいいカメラ持ってるって、前に話してたから…」
「ふーん。それで、高木も話に乗ったんだ?」
「あ、ああ…」
高木は力なくうなずいた。
「で、アンタ達はこの写真をどうするつもりだったの? アタシの裸で、オナニーとかしちゃうつもりだったわけ?」
アリサは二人を見下すように笑った。 彼らにとってはまさしく図星だったのだが、ここまではっきりと、しかも本人の口から言われると、返答のしようもなかった。
「きもいなあ。アンタ達、彼女とかいないわけ? 家で独り寂しくオナニーしてるしかないわけだ。アンタ、そんなんだからタイムも伸びないんだよ?」
水泳部の大谷は、さらに痛いところをつかれた。 確かにアリサと比べれば、大谷は平凡な水泳部員で、県大会の予選を通過したこともない。 彼自身はそれを特に気にしているわけではなかったのだが、さすがに腹が立ってきた。歯を食いしばって痛みに耐えながら、立ち上がろうとする。
「お前、うるせえんだよ!」
もともと長身のアリサよりも背が低い大谷だったが、前かがみになっているため、さらに上から見下ろされる形になった。 そんな彼を、アリサはむしろ心配そうに見つめた。
「大丈夫? まだ痛いんじゃないの?」
「う、うるせえ! こんなもん、たいしたことねえよ!」
本当はまだ十分に痛みが残っていたのだが、大谷は強がって、股間から手を放し、掴みかかろうとした。 男のプライドにかけて、これ以上の侮辱は許さないつもりだった。
「あ、そう。じゃあもう一回ね!」
そう言って、おもむろに大谷の両手を掴んだ。
「えっ?」
大谷は完全に虚を突かれた。戸惑いの表情を浮かべる彼に、アリサはニッコリと笑いかけ、先ほどよりも強烈な蹴りを、やや内股になっていた股間めがけて振り上げた。 水泳のバタ足で鍛えたものか、衝撃で前かがみになっていた大谷の踵が浮くほどの、強烈な一撃だった。
「かはっ!!」
呼吸が一瞬止まり、目の前が真っ暗になった。 腰から下が溶けたように力が抜けていき、浮いた踵が地面に着くと同時に、横倒しに倒れこんでしまう。
「あ、ちょっと強かった? ゴメンゴメン」
アリサが両手を離してやると、その手はそのままゆっくりと股間に向かい、両脚で挟むようにして閉じられた。
「あ…!! ああ…!!」
その痛みは想像を絶するもので、大谷は全身を痙攣させ、口をパクパクと魚のように動かし始めた。 あまりに大きすぎる急所の痛みが、呼吸器の神経にまで作用し始めた証拠だった。
「大丈夫? 潰れちゃったら、オナニーもできないよね? ねえ高木、どうなの、これ?」
「あ…いや…」
大谷のあまりの苦しみ様に、高木は自分の痛みも忘れるほどの恐怖を感じた。
「さすがに潰すのは、可哀想だなあ。ちょっと見せてよ」
そう言うと、アリサは海老のように丸くなっている大谷のベルトに手をかけて外すと、そのままズボンを引きずり下ろしてしまった。 痛みですでに思考が停止してしまっている大谷は、抵抗することもできず、隣で見ていた高木にもなす術がなかった。
「どれどれ。あ、大丈夫だ。ちゃんと二つあるね」
あまりにも強烈に金玉を蹴られると、男は自分では触ることができなくなる。ちょっとでも触れれば、痺れるような鈍痛が襲ってくるのが分かっているからだ。しかし女であるアリサがそんなことを気にするわけはなく、トランクスの上から、大谷の金玉を躊躇なく掴んでみた。
「あ! か…く…!!」
大谷の呼吸が止まり、海老反りになって硬直した。
「あー、これも痛いのか。ま、それくらいのことをしたってことだよね、アンタは」
アリサは苦しむ大谷の姿を見て、さらに掌の中で金玉を転がした。その度に、大谷の全身は電気が走ったように痙攣することになる。
「はひっ! はうぅ!」
「そんなに痛いんだ? へー。離してほしい?」
大谷は必死にうなずいた。
「離してあげたら、何でもいうこと聞く?」
アリサは意地悪そうな笑みを浮かべていたが、大谷がそんなことに気づくはずもなく、ただ必死に首を縦に振り続けた。
「じゃあさ、今ここでオナニーしてみせてよ。その写真を撮るからさ。約束するなら、離してあげる」
「は…え…?」
想像を絶する痛みに喘ぎながらも、大谷は躊躇した。 同級生の女の子の前で強制的にオナニーさせられることなど、男としてあり得ない屈辱だろう。
「あ…が…! そ、それは…」
「できないの? じゃあ、もっと強く握ってあげようか?」
意地悪く笑うと、大谷の金玉を握り直そうとした。 大谷は必死に叫ぶしかなかった。
「や、やるよ! やるから! 離して…」
男のプライドがズタズタに引き裂かれた瞬間だったが、それ以外の選択肢はなかった。 隣で見ていた高木も、自分が同じ状況になったときのことを想像して、力なくうつむいてしまった。
「よし。じゃあ、やって」
はにっこりと笑うと、金玉から手を離した。そしてためらうことなく、大谷のトランクスを膝までずり下ろしてしまった。
「あっ!」
大谷が慌てて股間を手で隠すほどの、素早い出来事だった。
「じゃあ、高木、写真撮ってよ。コイツがオナニーしてるとこ。ちゃんと顔まで入れるんだよ」
「え? お、俺が?」
高木は意外な命令に驚いた。
「だって、アンタのカメラでしょ。使い方分かんないし。はい」
アリサは有無を言わせず、一眼レフカメラを返してやった。 高木はそれを受け取るしかない。
「ほら、早くしなよ。また握られたいの?」
仰向けに寝そべったまま、股間を両手で隠している大谷に向かって、アリサは厳しく言い放った。 すでに抵抗する気力を無くしている大谷は、ためらいながら両手を広げてむき出しの股間を晒した。
「なんだ。もう、大きくなってるじゃん。ほら、写真!」
大谷のペニスは、どういうわけか、すでに半勃ちに近い状態だった。 アリサは別に恥ずかしがる風でもなく、カメラを持つ高木に指示を出すのを忘れなかった。 高木は渋々カメラをかまえて、大谷の股間にピントを合わせた。まさかこんなことに、自分の大事なカメラを使うことになるとは、思ってもみなかった。
「さ、早くしてってば。ぐずぐずしてると、また握るからね?」
「は、はい…」
恐怖におびえながら、自分のペニスを握った。 金玉からは相変わらず激しい鈍痛が発せられているため、なるべく金玉に手が触れないように、慎重にペニスを擦ることにした。
「あ…う…」
アリサと高木に見られているという異常な状況でも、大谷のペニスはすぐに勃起状態になった。 その結果、金玉に相当な痛みが走ることになったのだが、それでもさきほどアリサに握られている時よりはマシだった。
「おー。でかくなってきた。気持ちいいの?」
アリサはまじまじと、大谷がペニスをしごくのを眺めていた。
「写真、ちゃんと撮ってね。イクところも」
「あ、はい…」
高木はまったく気が進まない撮影を、それでもアリサの機嫌を損ねないように懸命に行った。
「へー。こんなのが気持ちいいんだねー。こうやって、毎日シコシコやってるわけだ。女の子の裸を想像して」
必死にペニスをしごいている大谷を見ながら、微笑んだ。 金玉を人質に取られてオナニーを強制されるという、男の最も情けない姿を見ていると思うと、女としての優越感が彼女の心を満たした。 アリサはさらに、サディスティックな欲望に駆られた。
「さっき、アタシのオッパイも見たでしょ? 思い出してみなよ。アソコの割れ目も見えたんじゃない?」
アリサが囁くと、大谷のペニスは明らかに一段強く膨張した。 大谷自身、それは認めたくない屈辱的な興奮だったが、かといって肉体の反応をおさえることができない。逆にペニスをしごく手が、スピードアップしてしまった。 アリサはそんな大谷の様子を、笑いをこらえながら見ていた。
「ねえ、大谷って童貞なの?」
大谷は思わず、目を見開いた。小悪魔のように笑っているアリサの顔が、そこにあった。
「そうかあ。童貞なんだあ。じゃあ、想像してみてよ。さっき見たアタシの割れ目の中に、アンタのこのチンポがすっぽり入ってるところをさ。気持ちいいだろうなあ。アタシの中、柔らかくて温かくて、ギンギンになったチンポをキュッと締めつけると思うよ」
それはカメラをかまえている高木でさえ、興奮するのをおさえられない囁きだった。 大谷はもはや恥もプライドもなく、金玉の痛みも忘れて全速力で右手を動かし、やがて盛大に射精した。
「あ…ああっ!!」
プールサイドで高く舞い上がった精液は、その大部分が大谷自身の下半身に落ちた。 傍で見ていたアリサが、思わずのけぞるほどの大量の精液だった。
「おおー! いっぱい出た!」
自らの精液にまみれた大谷は、射精直後こそ息を切らせて満足げな笑みを浮かべていた。しかしやがて頭が冴えてくると、自分がやったことの情けなさが分かってくる。
「アハハ! 面白―い! 超バカみたい。お疲れ様―!」
アリサに見下ろされ、思わず大谷が両手で隠したのは、股間よりも顔の方だった。男としてのプライドをズタズタにされた彼にできるのは、それぐらいしかなかった。
「ねえ、ちゃんと撮れた? イクときの顔とか」
「あ…ああ。たぶん…」
高木は大谷の気持ちを思うと複雑だったが、とりあえずカメラをアリサに渡した。
「よし。じゃあ、これはアタシが預かっとくね。この写真って、パソコンで見られるんでしょ?」
「え? あ、それは…」
高木がためらいがちに言うと、アリサの表情が変わった。
「なに? アンタも撮られたいの? それともオナニーできなくなるくらい、潰されたい?」
「あ…いや…。ゴメン…」
高木は大事なカメラを諦めるしかなかった。
「じゃあ、このカメラと写真が人質ってことで、アタシがプールで泳いでること、ばらさないでよ。もしばらしたら…」
言われなくても、大谷と高木にはよく分かっていた。 彼らは自分たちが行ったことで、取り返しのつかない弱みを握られてしまったことを、後悔するしかなかった。
「よし。じゃあ、お疲れ様。大谷、アンタちゃんと掃除しときなよ。汚いから。じゃあね」
アリサは微笑みながら、プールから出ていった。 大谷と高木は、その後一言も言葉を交わすことなく、ただうなだれて帰ることしかできなかった。
終わり。
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