最近の小学生は、忙しい。 学校が終わっても塾や習い事などで、家に帰るのが遅くなることは珍しくなかった。 そんな小学生を狙った犯罪も増えていて、この街では最近、夜間に変質者が出没すると、警察からの注意も出ていた。
「あー、今日も遅くなっちゃったねー。ドラマ、今日も見れなかったー」
「あ、そうだね。アタシ、録画してきたよ。今度、一緒に見よ」
「ホント? 見る見る」
小学6年生のミサキとサクラは、塾からの帰り道、人気のない通りを歩いていた。街灯は点いているのだが、弱々しい光で、とても通りの隅々までは見えない。 しかし、二人にとっては毎週のように通っている道だったので、特に怖いとも思っていないようだった。
「ん?」
ふと、サクラが前方の電柱の陰に、人影を見つけた。 街灯の真下でよく見えないが、人影は大きく、大人の男のようだった。 頭には帽子をかぶり、長いコートを着ているようにも見える。
「ミサキちゃん…」
サクラがそっとうながすと、ミサキも人影に気づいた。 しかし二人は慌てる様子もなく、少し歩調を緩やかにして、電柱から遠ざかるように歩き始めた。
「…ねえ、キミたち」
通り過ぎようとした瞬間、電柱の陰から、一人の男がぬっと出てきた。 男は季節外れの長いダウンジャケットを着て、マスクと黒ぶちの眼鏡をしている。顔はほとんど見えないが、体にはずいぶんと脂肪がついていることが分かった。
「え!」
二人の女の子はさすがにドキッとして、一歩後ろに下がった。 しかし男はかまわずに、しゃべりかけてくる。
「この辺に、バス停ないかなあ? 駅に行きたいんだけど、迷っちゃって…」
撫でるような声で、二人に話しかけた。 ミサキはそんな男の様子を不快に思いながらも、自分たちが今来た方向を指差してみせる。
「あっちにあると思いますけど…」
「…そう。ありがとうね。キミたち、何年生?」
「6年生…」
「そうか。6年生か。こんなに遅くまで、勉強してるの?」
ミサキは無言でうなずいた。
「そう。勉強好きなんだ。偉いねー。じゃあ、僕がいいこと教えてあげようか。たぶん、学校では教えてくれないことだよ」
「…なんですか?」
二人は警戒しながら、男を見ていた。
「キミたちみたいなカワイイ子を見ると、僕みたいな変態は、興奮して、こんなになっちゃんだよ!」
突然、男は閉じていたコートの前を、一気にはだけさせた。 上半身にはTシャツを着ていたが、下半身には何も身に着けておらず、でっぷりと太った腹の下に、性器が露出していた。 しかも男のペニスは言葉通り、勢いよく天をついていて、今にも射精するかというくらいにビクビクと脈打っている。
「あ!」
女の子たちは反射的に、手で口を覆って黙り込んでしまった。 男は両手でコートを広げたまま、恍惚とした表情で立ちつくしている。 恐らくこの瞬間が、男にとってエクスタシーを感じる瞬間なのだろう。
「……ん?」
しかしあまりにも長い間、叫び声一つ出ないので、男はふと、目線を下ろした。小学生の女の子なら、キャーッと叫んですぐに逃げ出すと思っていたのだ。
「…んー、これがボッキしてるチンチンなんだあ」
「やっぱり、大人のチンチンは大きいね。ボッキしてるからかな?」
なんと、ミサキとサクラの二人は最初こそ驚いてしまったが、今では薄明かりの中、しげしげと男のペニスを観察していたのだ。
「あ、見て。キンタマ袋がキュッとなってる。面白ーい」
「ホントだ。この状態だと、チンチンが邪魔にならないね。よく見える」
二人は楽しそうに、男の性器を観察していた。
「あ…あの…」
男は拍子抜けしたように、二人を見た。 今まで何回かこの痴漢行為をしてきたが、こんな反応をされたのは初めてだったのだ。しかも、相手は小学生の子供なのに。
「あ、しぼんできたよ。どうしたの?」
「すごーい。空気が抜けるみたい」
予想外の反応に男の興奮はややおさまり、膨張していたペニスが急速にしぼんでいった。男にとっては、何とも情けない状況である。
「キ、キミたち、男のチンチンに興味があるの?」
「え? うーん。まあ、興味っていうか。クラスの男子のはけっこう見てるけど、大人のはあんまりだったから」
「保健で習ったばっかりだもんね。男の人は、ボッキするとチンチンから射精するって」
二人は堂々とした様子で答えた。
「そ、そうか。じゃあ、もっといいこと教えてあげようか。男がどうすれば射精するのか…」
すると男は突然、ミサキの手を掴み、自分の方へ引き寄せようとした。 思わぬことで失った精神的優位性を、実力で取り戻そうということらしい。
「あ! やめてよ!」
ミサキは驚いたが、素早く男の手をもう片方の手で掴み、渾身の力で踏ん張った。 小学生の力とはいえ、男の方も全力を出さざるを得なくなる。
「こ、この…!」
引っ張り合いが拮抗するかに思えたが、その時間は長くは続かなかった。 目線の少し下で、情けなくぶら下がっている男の最大の急所に、ミサキは最初から狙いを定めていたのだ。
「えい!」
足を振り上げると、スニーカーのつま先が、バチンと男の金玉袋を跳ね上げた。
「うっ!」
痛みよりも、あまりにも突然の衝撃に驚いて、男の動きが止まった。 男の手から急激に力が抜けるのを、ミサキは感じた。
「ミサキちゃん、どいて!」
まるでタイミングを合わせたかのように、サクラが素早く動き出していた。 男の懐に入り込み、深くしゃがみこんで、力を溜める。 堅く握られた拳を容赦なく振り上げて、男の股間に強烈なアッパーカットを打ち込んだ。
パンッ!
と乾いた音がして、二つの睾丸は再び跳ね上げられた。
「うごおっ!!」
男は一瞬、背筋に冷たいものを感じて、反射的に腰を引いてしまった。 ミサキに蹴られた痛みが、じんわりと下腹部に広がり始めた時に、さらに強烈な打撃をうけてしまったのである。 膝から力が抜けて、ガクガクと震えだし、やがて股間をおさえたまま、前のめりに崩れ落ちてしまった。
「決まった! 新兵器、キンタマアッパー!」
「あー、それ、練習してたヤツ? いい音したねー」
「そう。クラスの男子だと、タマがちっちゃいからさ。あんまり決まらなかったんだ。やっぱり大人のタマだと狙いやすいね」
ミサキとサクラが楽しげに笑っている目の前で、男が二人に土下座するかのようにうずくまって震えている。
「ぐぅぅ…」
男の痛みこそ、地獄そのものだった。 いつ治まるともしれない、大きな痛みの波が全身を包み、吐き気さえもよおしてくる。 痛みに頭がぼんやりとしてきて、いっそのこと気絶してしまえば楽だったのだろうが、どうやらそれは、二人の女の子に許してもらえそうにもなかった。
「ねえ、痛かった? キンタマの裏に当たったでしょ?」
サクラは男の顔を覗きこみ、尋ねる。
「裏に当たると、痛いんだっけ?」
「うん。こないだ分かったんだけど、裏側の方が痛いんだって。だから、後ろか真下から当てるといいんだよ。こうやって…」
サクラは尻をつき上げてうずくまる男の背後に回り込み、コートを跳ねのけた。 尻の隙間から、男が両手でしっかりと金玉袋をおさえているのが見える。
「えいっと!」
サクラはスニーカーのつま先で、男の指の上から思いきり蹴りつけた。
「ぎゃうっ!!」
手でおさえているとはいえ、蹴りの衝撃は、しっかりと男の金玉に伝わってくる。 まして小さい女の子のつま先は、ピンポイントに衝撃をねじ込んできた。
「ほら。痛いでしょ?」
サクラが楽しそうに問いかけるが、男は荒い息をして、体を細かく震わせているばかりだった。
「ふーん。そうなんだあ。あ、そうだ。さっき、ボッキしてるときって、すごい蹴りやすそうじゃなかった?」
「あ、それアタシも思った。今蹴ったら、いい感じで当たるだろうなーって」
ミサキの言葉に、サクラはうなずいた。
「キンタマ袋ってさ、普段はダランとしてるっていうか、ボヨンボヨンしてて、中のタマが逃げてると思わない? ボッキしてるときに蹴ったら、タマの逃げ場がなくて、もっと痛いんじゃないかな?」
「あー、そうだね。たぶん、そうだよ。試してみたいなー」
「アタシも試したい。ねえ、お兄さん。もう一回、ボッキさせてくれないかな?」
好奇心に溢れたミサキは、うずくまって苦しみぬいている男に、無情とも言える頼みを持ちかけた。 男はようやく思考ができる程度に回復してきたが、これ以上キンタマを痛めつけられることなど、想像もしたくなかった。
「す、すいません…。許して下さい…」
男が顔を上げると、すでにマスクは顎までずれて、顔が明らかになっていた。 口からよだれを流し、目に涙を溜めながら、必死の表情で小学生の女の子たちに命乞いをしていた。
「んー? 別に、許すとかじゃなくてさ。もう一回、ボッキさせて欲しいなーって。さっきみたいにキュッとなったキンタマを蹴ってみたいんだ」
サクラは男の頭上から、いかにも楽しそうに言った。 しかし男は泣きながら、必死に首を振っていた。
「すいませんでした…。もう勘弁してください…」
涙で顔をぐしゃぐしゃにした男の様子を見て、サクラとミサキは顔を見合わせて笑った。
「ちょっと、お兄さん、必死すぎー。面白いんだけど」
「もー、しょうがないなー。早くボッキしてくんないと、警察呼んじゃうよ?」
ミサキが親から持たされている、子供用の携帯電話を取り出してみせた。
「そうそう。ボッキしてくれたら、警察呼ばないで、アタシ達は帰るからさ。ね? 頑張って!」
警察と聞いて、男は血の気が引く思いがした。 下腹部の痛みは依然としておさまる気配がなかったが、なんとか上体を起こして、再び少女たちに性器を晒した。
「そうそう。さ、立って」
サクラは男の腕をとって、無理矢理立ち上がらせようとした。 男はうめきながら、先ほど自分が隠れていた電柱に寄りかかって、よろよろと立ちあがった。
「んー。やっぱり、ちっちゃくなってるねー。キンタマが痛いから?」
「どうだろうね。興奮したら、また大きくなるんでしょ?」
サクラとミサキは、冷静に男のペニスを観察していた。 確かに男のイチモツは、睾丸の痛みのためか、二人の女の子への恐怖のためか、完全に縮こまってしまっていた。
「んー。興奮するって、エッチなこと考えるってことでしょ? こういうのは?」
と言うと、サクラはいきなり男の目の前で自分のスカートをひらりとめくってみせた。 小学生らしい、健康的な白いパンティーが、男の目に飛び込んでくる。
「え! サクラちゃん、大胆だねー」
「うん。いいよ、パンツくらい。クラスの男子とプロレスする時にも、見られてるし。あ、ちょっと大きくなってきたかな?」
サクラの言葉通り、男のペニスがわずかな反応を見せ始めた。 男は小学生相手の露出行為をしているくらいだから、ロリコンの気があるらしい。サクラが自ら見せたパンティーを、痛みも忘れるかのように凝視している。
「ホントだ。でも、まだまだだね。あ、そうだ。ウチの弟が、チンチンを揉むと気持ちがいいって言ってたよ。ちょっとやってみようか」
そう言って、ミサキはいきなり男のペニスをつまみ、指先で揉み始めた。
「はうっ!」
男は思わず声を上げてしまった。 何も知らない、不器用な女の子の触り方だったが、今の状況では、男の本能を呼び覚ますのに十分すぎる刺激だった。 あっという間に男のペニスは膨張し、首をもたげ始めた。
「あ! 固くなってるー! すごーい。面白―い!」
ミサキは自分の指先で固まり始めた男のペニスの感触に、純粋な感動の声を上げた。
「ホントだ。どれどれ。アタシにも触らせて」
と、サクラも男のペニスをつまみ始める。
「あ…ふぅ…」
幼い少女二人の手にペニスを握られた男は、つい、情けない声を上げてしまう。 しかしサクラたちはそんなことはかまわずに、ただ初めて触る大人のペニスを好奇心旺盛な目で見つめていた。
「ねえ、こうやってさ、ゴシゴシしてるの、よく見ない? エッチなマンガとかで」
と、サクラがだいぶ堅くなってきた男のペニスを、小さな手で上下に擦り始めた。
「あー、見たことあるかも。そうすると、気持ちいいのかな? えいえい」
ミサキとサクラが交代で、男のペニスを擦り始めた。
「あ、パンツもしっかり見てね。ほらほら」
さらにサクラのパンツが目に飛び込んできて、もはや男は興奮を隠しきれず、そのペニスは再びギンギンに勃起してしまった。
「あー! ボッキした、ボッキした!」
「キンタマ袋が、キュッとなってる!」
サクラ達はうれしそうに叫び、手を放した。
「よーし。じゃあ、これを蹴ったらどうなるか。試してみよー!」
「え…あの…」
サクラが再び男のキンタマを蹴ろうとかまえると、途端に男のペニスは勢いを失ってしまった。 先ほどのサクラ達のキンタマ攻撃の衝撃がまだ残っている分、その恐怖も鮮明で、ちょっと油断すればすぐに、ペニスはしぼんでしまうらしかった。
「あー! またしぼんじゃった。もー。頑張ってよ、お兄さん。ほら、パンツ見て」
サクラがスカートをめくると、幾分かペニスは回復した。 滑稽なほど正直な男のペニスに、女の子たちは思わず笑ってしまう。
「アハハ! サクラちゃんのパンツの威力はすごいね」
「もーめんどくさいから、チンチンは自分でゴシゴシしてよね」
「あ…はい…」
男は言われた通り、サクラのパンツを見ながら、自分でペニスをしごき始めた。 すると再び、男のペニスは天を指すほどに突きあがり、玉袋も締まってくる。
「あ、イイ感じ。じゃあ、アタシが蹴ってみるね。お兄さんはサクラちゃんのパンツが好きみたいだから」
ミサキがかまえると、サクラは仕方なくうなずいた。
「しょうがないね。後で感想教えてね、ミサキちゃん」
「うん。わかった。でもお兄さん、射精する時が一番ボッキするんじゃないの? 射精してみせてよ」
「あ…う…あい…」
興奮と恐怖で、もはや思考がぐちゃぐちゃになっている男は、一心不乱にペニスをしごいていた。
「うわあ。この手、すごい速くない? 速くした方が、気持ちいいのかな?」
「んー。そうみたいだね。すごい変な顔してるよ、この人。じゃあ大サービスして、こっちも見せちゃおうかな」
サクラはそう言うと、片手でスカートを捲りあげたまま、もう一方の手で上着のTシャツをめくってみせた。
「ふうっ! ふうっ!」
サクラがシャツをめくると、その健康そうな肌と、青色のスポーツブラが男の目に飛び込んでくる。 発育途中のこぢんまりと膨らんだ少女の胸は、男の大好物だった。
「…ああ…イク! イク!」
ペニスをしごく男の手はこれまで以上にスピードを増し、ついに男は絶頂を迎えようとしていた。
「え? イクって、射精するってこと? じゃあいくよ! せーの、えい!」
ビュン、と、さきほどの蹴りとは明らかに違う風きり音と共に、ミサキの右脚が振り上げられた。
グシッ!
男の頭の中で、何かが押し潰れるような音が響いたが、それは実際にミサキたちの耳にも聞こえた音だった。 ミサキのスニーカーの堅いゴムの部分が男の金玉袋に深々とめり込み、中にある二つの睾丸を容赦なく押し潰した。 普段の状態なら跳ね上げられるはずの金玉が、絶頂を迎えようとしていたペニスに引っ張られ限界まで縮こまっていたことで、衝撃を和らげる機能がまったく働かなくなっていたのだった。
「あぐっ!! …ぐえ…え…!!」
男はペニスをしごく手をピタリと止めて、寄りかかっていた電柱に全体重を預けると、そのまま腰からずり落ちていった。 その最中、勃起し切った男のペニスの先から、こぼれるように白く濁った液体が落ちていくのが見えた。
「あ! 射精したんじゃない、これ? すごーい。きもーい」
「うん。すっごい手ごたえだった。やっぱり、袋がキュッとなってる方が、いいよ、きっと」
ミサキはかつてない自分の蹴りの感触に、満足しているようだった。 男はついに白目をむいて、すっかりしぼんだペニスを握りながら、がっくりとうなだれてしまった。
「んー。やっぱり、ボッキさせた方がきくんだねー。今度から、男子もボッキさせてみようかな。パンツ見せればいいかな」
「えー。やめとこうよ。サクラちゃん、パンツなんかあんまり見せたらダメだよ」
「そう? じゃあ、とっておきの必殺技にしよ。油断させておいて、ボッキさせてから、ズドン! みたいな」
「あ、それならいいかもね。アタシもやってみようかな」
少女たちはすでに、自分たちが倒した男のことなど眼中にない様子だった。 楽しそうに話しながら、帰り道を再び歩き出す。
「あ、お兄さん、ありがとうね。今度会ったら、また蹴らせてねー」
「ていうか、ありがとうはあの人じゃない? サクラちゃんのパンツ見れたんだし」
「あ、そうかな? まあ、そういうことで。じゃあねー」
サクラとミサキは悠々と立ち去り、後に残された男は、夜明けが来るまで目を覚まさなかった。
終わり
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