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男の絶対的な急所、金玉。それを責める女性たちのお話。


「えーっと。それじゃあ、始めますね。どっちがいいかな。こっちにしょう」

アイコはつぶやきながら、ケンスケの右の睾丸を掴んだ。

「やっぱり、一個だけ握った方がいいですよね、先生?」

「そうねえ。アナタ達の握力じゃ、二個同時は無理でしょうねえ」

「先生が、痴漢のを潰した時は、二個同時だったんですか?」

「うーんっと、確か、そうだったかしら。あの人のは、ちょっと小さめだったんじゃない。こう、グッと握れたわ。でも、元木さんのは無理よ。一個だけにしておきなさい」

まるで、デザートに食べる果物か何かのことを話しているようだった。
とても、男の最大の急所、命の次に大切とも言える金玉のことを話している様子ではない。
金玉を持たない女という生き物が、いかにそれに対して無情で無関心か、ケンスケは腹の底が震えるような恐怖を感じた。

「はーい。じゃあ、元木さん、いきますね? せーの!」

掛け声と共に、強烈な圧力が、ケンスケの右の睾丸にかけられた。

「むむ…ぐぅぅ…!!」

声にならない叫び声を上げ、全身を震わせ始めた。
今までに感じたことのない痛みが、アイコに握られた丸い玉から、発せられている。

「潰れろーっ!!」

アイコはさらに、両手を使って、哀れなケンスケの睾丸に圧力をかけていく。
いまやケンスケの睾丸は、アイコの手の中で細長く変形し、潰されないように、必死で耐えているようだった。

「ぐぐぐ…!!」

「でもさあ、アイコちゃんがこのまま潰しちゃったら、アタシはどうなるんですか? アタシの番、こないのかな?」

地獄の苦しみに呻くケンスケの頭上で、拍子抜けするほど気軽な調子で、ルミがしゃべっていた。

「ええ? 大丈夫よ。金玉は二個あるんだから。一個、余ってるじゃん」

アイコは渾身の力を両手に込め、顔を真っ赤にしている。

「え? でも、潰すのって、一個だけじゃ…」

確認するかのようにカオルを見ると、カオルは横目でチラリとケンスケを見た後、微笑んだ。

「大丈夫よ。元木さんは、優しい人だもの。ルミちゃんのためなら、ね?」

「ホントですか? ありがとう、元木さん!」

ケンスケは必死に首を振ろうとしたが、アイコの手にさらに力が込められると、体をのけぞらせて呻くしかなかった。

「じゃあ、アタシは遠慮なく、こっちを潰しますね。えーい!!」

「ぐむーっ!!」

ほとんど全裸に近い状態のケンスケの体から、大量の汗が吹き出し始めた。
本当なら、今すぐにでも身をよじって、アイコの手から金玉を振りほどきたかったのだが、医療用の革ベルトは頑丈で、ケンスケが全力で動いても、ビクともしなかった。

「んんーっ!! …はあっ。ダメだ…」

全力で握り続けていたアイコは、突然、その手を放した。
どうやら、ついに疲れてしまったようだったが、ケンスケの睾丸は、まだ潰れてはいなかった。

「あれえ? まだ潰れてないでしょ? もういいの?」

「もう、ムリムリ。意外と潰れないよ、コレ。なんか、コロコロして握りにくいしさ」

「へー。そうなんだあ」

アイコは本当に全力を出し切ったようで、肩で息をしていた。
しかし、潰れるには至らなかったとはいえ、ケンスケの疲労は、アイコの比ではなかった。
強烈な圧力からは解放されたものの、まだ下半身には、焼けつくような痛みが、ジンジンと残っていて、股間に杭でも打ち込まれているようだった。
自分の金玉が本当に無事なのかどうか、ケンスケは確かめたかったが、もちろんそれは許されてはいない。

「じゃあ、アタシはこっちを握ってみようかなー。えい!」

休む暇もなく、ルミがケンスケの左の睾丸に手をかけて、握りしめた。
ケンスケの体を、再び悪夢のような激痛が襲う。

「むーっ!!」

その痛みは、内臓を掻きまわすように突き上げ、吐き気さえ催してくるものだった。

「ホントだあ。握りにくいね、コレ。すぐ動いちゃう あ、こら!」

ルミの言うとおり、彼女の手の中で、ケンスケの睾丸はコロコロと動いていた。
それは、あたかも潰されることを拒否するかのような、金玉の必死の回避行動のようだった。

「うっ! はっ!」

金玉がルミの掌の中を泳ぐたびに、ケンスケは息が止まる思いだった。
しかし、ルミの握力はアイコのそれよりもずいぶん弱いようで、どうやら潰されることはないようだと感じた。

「先生、これってなんか、コツとかあるんですかあ?」

これまで、女の子たちが金玉を握りしめる様子を黙って見守っていたカオルに、ルミが助けを求めた。
何といっても、カオルは男の金玉を実際に潰した経験の持ち主なのだ。
ケンスケの背中に、冷たいものが流れた。

「そうねえ。さっきから見てたけど、アナタ達の握力じゃ、ちょっと無理そうねえ」

するとカオルは、チラリとケンスケの顔を見下ろした。
その顔には、いつもケンスケが治療に訪れた時に見せるのと同じような、穏やかな微笑がたたえられている。
いつもならケンスケはその微笑に癒されて、幸せな気分に浸れるのだが、今はそれが、何より恐怖だった。

「ルミちゃん、ちょっと爪を立ててみれば? こう、親指の爪を」

「こうですか?」

カオルが手真似をしてやると、ルミはそのとおりに、ケンスケの睾丸を握り直して、爪を立てた。

「ああぁぁぁー!!!」

ケンスケは、タオルを吐きださんばかりに、口を広げて叫んだ。
かっと見開かれた両目は、血走っていて、その激痛を物語っている。

「あ。これが痛いんだあ。さすが、先生! 金玉潰しのことはよく知ってますね」

ルミは楽しそうに、突きたてた親指の爪を、さらにグリグリと食い込ませた。

「フフフ…。まあ、経験かしらね」

カオルは奥ゆかしそうに笑った。
その下では、ケンスケが悪夢のような激痛に耐えている。

「ふぐ…ぐぐぐ…!!」

やがてケンスケの体が、本人の意思とは無関係に、ビクビクと大きく痙攣し始めた。

「あれ? なんか、ヤバイかな?」

思わずルミは、睾丸から手を放してしまった。
その瞬間、ケンスケの痙攣は止み、ベルトで固定された首は、ガックリと横向きに倒れた。
口に入れたタオルの隙間から、細かい泡がこぼれている。

「潰れちゃったの?」

「えー。まだ、潰れてないと思うけど…。元木さん、大丈夫ですか?」

ケンスケに地獄のような苦しみを与え、気絶寸前まで追い込んだアイコとルミは、心配そうに顔を覗き込んだ。
しかしその声や表情には、ほとんど心がこもっていないことは明らかだった。
言葉では言い表せないほどの苦痛を味わい、金玉を潰されるかもしれないという、男にとっても残酷な恐怖と戦っていたケンスケだったのだが、金玉の痛みを毛ほども想像できない彼女たちには、それはまったく伝わっていないのだ。

「うーん。潰れてはいないみたいね。ちょっと腫れるかもしれないけど、まあ、大丈夫でしょう。良かったですね、元木さん」

カオルが、トランクスの上からケンスケの金玉袋を軽く撫でて確かめてやった。
しかし、にっこりと笑いかけたその顔を、もうケンスケは見ることができない。

「なんだかんだで、けっこう頑張りましたね、元木さん。なかなか潰れないものなんだなあ」

「ホントに。もっと簡単かと思ったけど、全然ダメだったね。どうすれば潰れるんですか、先生?」

「そうねえ。まずは、アナタ達の力不足でしょうね。もっと握力を鍛えないと。いいマッサージもできないわよ」

一仕事終えたかのようなテンションで、まるで仕事の反省会のように、女性たちは語り始めた。

「そうですかあ? これでも、けっこう握力がついてきたと思ってたんですけど…」

「まあ、握力といっても、金玉を潰す時に必要なのは、瞬発力なのよね。マッサージに必要なのは、どちらかといえば持久力の方だから、ちょっと違うかもね」

「瞬発力ですか?」

「そう。一気に、グシャッと握り潰さないといけないから、瞬発力は大事よ。もちろん、基本の握力も必要だけどね」

次第に熱を帯びてくるカオルの指導と、それを熱心に聞き入るアイコとルミ。
ケンスケは、朦朧とした意識の中で、ぼんやりとそれを聞いていた。

「えー。でも、そんなに簡単に、グシャッと潰せますかあ? けっこう、堅かったですよ」

「アナタ達のを見てたけど、やっぱり思い切りがよくなかったわ。潰す時はね、ためらわずに、一気に、思い切り握り潰さないとダメなのよ」

カオルはスッと、ケンスケの睾丸の一つに手をかけた。
先ほどアイコに握りしめられた睾丸は、すでに腫れあがり始めており、熱を帯びている。
極度に敏感になっている急所を触られて、ケンスケはビクリと体を震わせた。
しかし、カオル達はそんなことを気にもかけていない。

「いい? こうやって、金玉を握るでしょ? そしたら、逃げないように、しっかりと掌で包むの。このポジションを、握った瞬間にできるようにならないとダメよ」

アイコとルミは、興味深そうにカオルの右手に注目していた。
その手には、まだほとんど力はこめられていなかったが、カオルの言うとおり、手の中のベストポジションに、金玉がおさまっているようだった。

「そうしたら、さっき言ったように、一気に握りつぶすの。本当に一気によ。こんな感じに…」

カオルが右手に力を込めると、その手の中で、パチンと、風船が弾けたような感触があった。

「つっっっ!!!!」

瞬間、ケンスケの体は大きく空中にのけぞって、口に詰め込まれたタオルが吐きだされた。
やがてドスンと、大きな音を立ててベッドに着地したケンスケは、完全に白目をむいて、気絶していた。

「あら…? 元木さん…?」

カオル自身も、何が起こったのか分からない様子だった。
やがてハッと気がついて、その手の中を確かめると、そこには、先ほどまで確かにあったはずの小さな卵状の物体がなくなっていた。

「あ…。ごめんなさい。潰しちゃったみたい…」

さすがに申し訳なさそうに、つぶやいた。
ケンスケはベッドの上で、完全に意識を失っているようで、口から泡を吹いて、細かく痙攣している。

「えー! 先生、潰しちゃったんですか? ちょっと握っただけで? すごーい!」

「すっごい! 先生! 超怪力ですね!」

アイコとルミは、驚いて、しかしどこか楽しそうに笑っていた。

「そ、そんなことないわよ。ちょっと握ってみただけだったのに…。その前にも握られてたから、金玉が弱ってたのかしら…。まさか、潰れるなんて…」

どうやら本当に不慮の事故だったようで、カオルは神妙な顔つきでケンスケの股間を見つめていた。

「まあ、でも、最初から潰すつもりだったし、いいですよ。先生の金玉潰しが見られて、アタシ、興奮しました!」

「アタシも! すっごい勉強になりました。今度、彼氏とケンカした時、やってみます」

アイコとルミにそう言われて、カオルもためらいがちにうなずいた。

「そう? そうね。予定通りにできたっていうことで。元木さんも、もうウチには来なくなるでしょう。でも本当に、男の人って大変ねえ…。こんなことで気絶しちゃうくらい痛いなんて…」

「そうですねえ。アタシ、生まれ変わっても男には生まれたくないなあ。めんどくさそう…」

「アタシも。男に生まれても、金玉なんかいらないなあ。なんで、こんなのついてるんだろう…」

女性たちは、白目をむいて横たわっているケンスケを見下ろして、しみじみとつぶやいていた。

この後、整骨院には救急車が到着し、階段で転んで股間を打ったという男性一人が、病院に運ばれていった。
そしてその男性は、どんなに肩が凝っても、二度と整骨院に行くことはなかったという。


終わり。



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