アカリは右手の指先でユウキの胸板を撫で、そのまま下の方に向かい、うっすらと割れた腹筋の境目をなぞった。
「堅い…。すごいわね、男の子って。女の子には、こんな堅い筋肉はいくら頑張ってもつかないわ」
アカリはつぶやきながら腹筋を撫でていく。 アカリの素人離れした攻撃に痛めつけられたユウキも、男としての力強いタフさを褒められて、悪い気分ではなかった。 さらにアカリの視線は、腹筋の下、下腹部へと移っていく。
黒いブーメランパンツに包まれたユウキの股間は、さきほどアカリのスカートの中を見たせいか、大きく膨らんでしまっていた。 ユウキはアカリの視線が股間に向けられたとき、初めてそれに気がついたが、今さらどうすることもできない。
「ここも…」
アカリは無表情にその膨らみを見つめ、腹筋をなぞった手でそのまま触ろうとしたが、寸前で止めた。
「堅くなってるみたいね。フフフ…」
ユウキの顔を見上げて、小さく笑った。 ユウキは驚きと恥ずかしさで顔を真っ赤にし、それでも美しいアカリの顔から眼をそらすことができなかった。
「岡田君、今日はこれも脱いでくれないかしら? 私、岡田君の全部が見てみたくなっちゃった」
アカリの口から出た言葉は、ユウキの頭にハンマーで殴ったような衝撃を与えた。 ほとんどすべてをさらけ出している自分に残された、最後の一枚を脱ぐ。アカリの前で。好きな女の子の前に出す。自分の性器を。外で。学校で。その後は。今から何をするのか。
「あ…」
様々な言葉がユウキの頭の中を駆け巡り、ちょっとした混乱状態になってしまったが、それを見透かしたかのようなアカリの声が、ユウキを現実に引き戻した。
「でも、まだ試験は終わってないのよ。あと2回の攻撃を、耐えられるかしら」
アカリは意地悪そうなほほ笑みを浮かべている。 ユウキはその言葉で、我を取り戻した。
「ぬ、脱ぐの…?」
「岡田君さえよければ。ちょっとしたご褒美もあるかもしれないわよ?」
ユウキにはその言葉の意味が分からなかったが、ここまできた以上、彼女の言うことに逆らう気持ちはなかった。 無言でうなずくと、自らのパンツに手をかけて、ためらいながらも脱ぎ捨てた。
「フフフ…」
顔を真っ赤にしながらも、仁王立ちになったユウキの股間のペニスは、堂々と天を突きさしていた。 アカリはそれを見て、得体のしれない小さな笑い声をあげる。 その表情には恥ずかしがる様子はなく、いつも通り落ち着いたものだった。
「いいわ。とってもセクシーね。鍛えられた男の人の体って、何も着けない方が美しいと思うの」
アカリは一種感動したような調子で、丸裸になったユウキの肉体を見つめ続けた。 一方のユウキは、自分が好きになった女の子の前で全裸になり、観察されるという異常な状況にも関わらず、密かな興奮を感じ始めていた。 自分でも不思議な高揚感だったが、それは肉体にも顕著に表れ、堅く勃起していたユウキのペニスは、さらに膨張し、その先からうっすらと透明な液体がにじみ出しそうになっていた。
「私ね、男らしい人が好きなの。だからとにかく男らしい、力強い体を持った人を探してたのよ。岡田君は、ひとまず合格といえるかもね」
意外な言葉に、ユウキはアカリの顔を見つめた。 アカリはそんなユウキを見つめ返して、ほほ笑む。
「ねえ、岡田君。男の人が一番男らしいときって、どんな時だと思う?」
「え…?」
ユウキは言葉につまった。
「私はね、こう思うの。岡田君みたいに大きくて、力強くて、打たれ強い人が、私の指一本でひざまずいちゃうときが、一番男らしいって」
そう言うと、アカリは右手を伸ばして、ギンギンにそそり立ったユウキのペニスの下、金玉袋の前で指を弾く構えを取った。 ユウキが目を落とすと、アカリの中指はギリギリと引き絞られた弓矢のように曲げられ、今にも解き放たれそうになっている。
「9回目。耐えられるかしら」
にっこりと笑うと、アカリはユウキのむき出しになった金玉に、思い切りデコピンを放った。
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